東葛川柳会の躍進と魅力
おめでとう、東葛創立35周年
コロナ禍から3年。マスク着用だが、10月22日(土)東葛川柳会の創立35周年記念大会が柏市中央公民館に約130名、投句50余名が参加し、盛大に幕を開けた。
5年ごとに開催される記念大会は今川乱魚さんの追悼句会も含め20周年の時からの参加である。久しぶりに会う人ばかりであちこちで笑顔の花が咲く。
来賓として千葉県川柳連盟の津田暹氏のご挨拶、2年後に30周年を迎える台湾川柳会の代表、杜青春さんが来日し、川柳で日台の交流を熱くアピールした。参加者には最新の柳誌『ぬかる道』11月号と鎌田ちどりさんの川柳句集『いちめん菜の花』が配布された。記念講演には、筑波大学教授の石塚修先生の「文芸の創作の伝統」があり、川柳の魅力を興味深く講演された。創立当初からのモットー「楽しく学ぶ」がここでも生きている。
東葛名物、ストレッチ体操を参加者と体験。4名の選者による記念句会は誌社の垣根を越えた東葛が大切にする交流事業でもある。東葛は記念句会に参加できない方の投句も歓迎している。しかも一題だけは三句連記制とし、選者が参加者の句をもれなく一句は採用する。選者も大変であるが全ボツはない。これは毎月土曜日の例会でも実践中である。川柳を始めたのに全ボツ続き、発表誌に名前すら載らず、足が遠のく。新人育成の面では卓見である。そして優秀句を讃えての表彰式も参加者の励みになる。
いつもの懇親宴はコロナ禍が終息していないので、杜青春さんを囲んでの「日台交流の小宴」が開かれた。嬉しい3人と同席。以前、句集をいただいた統括の日下部敦世さん。栃木の三上博史さんからは句文集『川柳の神様』を上下2冊。川柳能因の会の駒木香苑さんと杯を重ねる。地域を超えた交流のお膳立てが染みる。
今川乱魚さんの意志を継いで
東葛川柳会は昭和62年10月24日(土)に今川乱魚代表によって誕生した。創立時事務局長兼編集長だった江畑哲男さんが2代目代表を継ぐ。乱魚さんは発足当時からユーモア精神を大切に、癌を背負いながらたくさんの著書を出された。行政とタッグを組み、日川協の理事長を務めるかたわら日台交流も進め、いち早く乱魚ブログや東葛のホームページを立ち上げるなど功績は計り知れないほど大きい。
二代目江畑哲男代表はさらに乱魚さんの意志を継いで八面六臂の大活躍だ。その一端を列挙してみよう。
日川協の副理事長や番傘関東総局長の要職や川柳選者、カルチャーセンターやオープンカレッジの講師、各種勉強会の開催。ブログの発信やスマホの活用や川柳のデータ化などで川柳の普及、川柳文化のために邁進、元高校の国語教師の面目躍如である。多数の川柳書も発刊、その集大成が『今川乱魚のユーモア川柳とまじめ語録』と近著『魔法の文芸』である。
柳誌『ぬかる道』を拝読すると、代表の巻頭言で方針が示され、単なる句会報でなく、「句会の表情」として選者の講評を欠かさない。その他、多彩な編集内容が冴え、読者の声も積極的に取り上げ双方向の柳誌が読んで楽しい『ぬかる道』である。「いつも何かに挑戦する会でありたい!」と吠える江畑哲男代表を支えているチームワークの良さが垣間見える。
会場に創立三五周年基金の呼びかけやDVDの撮影隊が入り、映像型記録集にチャレンジしていたのも頼もしい。
いささか、「よいしょ」が過ぎたようだが、江畑哲男代表を支えて東葛およびその傘下の皆様の活躍を期待しております。