東葛川柳会の沿革

「東葛川柳会」の発足に当たって

昭和62年(1987)10月24日

代表 今川 乱魚

私たちは、このほど地元東葛飾地区に川柳の集いを持つことといたしました。これから川柳を始めたいと思っておられる方も、既に川柳を楽しんでおられる方も、ともにどうぞお気軽にご参加くださるようご案内申し上げます。

川柳は、私たちが日頃使っている言葉で人間や世の中を詠む五七五音の詩です。遡れば川柳と俳句は同じ源に行き着きますが、文語で自然を詠むのを原則とする俳句とはこの点において違いがあります。広辞苑で「人間」を引くと、最初に出てくる意味は、世の中、世間、その次が人ですが、この世の中も人も絶えず変わって行きます。辺りを眺めますと自然もこれまでの姿を失いつつあります。

私たちは、移り行く世の中の様や移り行く人の心を、一人一人の眼で捉え、生き生きと表現し、またいつの世にも変わらない美しい人情を、今の言葉、今の感性をもって、身近な詩、川柳に託して詠っていきたいと考えてこの集いを持ちました。

昔から連歌を筑波(つくば)の道と呼びますが、この東葛飾の地は、まさに首都東京から筑波に向かう道の中ごろにあります。旧利根(今の江戸川)と新利根(今の利根川)の間に広がるこの東葛の地にちなんで、私たちの集いを「東葛川柳会」と名付けました。

「東葛川柳会」は、句の入選を競い合うだけの会ではなく、人情や人生観、仕事や社会、それに川柳に対する取り組み方などについても、皆さんとともに語り合っていくような楽しい会にしたいと思います。どうぞ末永くお付き合い下さるようお願い申し上げ、発足のご挨拶といたします。

今川乱魚さんを偲ぶ会 平成22年(2010)

東葛の歴史を溯る

(1)誌名『ぬかる道』の由来

会の名称は、千葉県東葛飾地域に根ざすことから「東葛川柳会」と名づけました。機関誌名は、『ぬかる道』と命名しました。この機関誌名が変わっているので、よく由来を聞かれます。下総の名物には「悪女・こんにゃく・ぬかる道」の三つがあるそうです。その中から『ぬかる道』を採用したのです。まさか、「悪女」なる誌名は付けにくいですからね。
『ぬかる道』と名づけたからでしょうか、句会はよく雨に祟られました。「雨の東葛川柳会」とか、「やっぱり『ぬかる道』ですね」などと言われたものです。その「ぬかる道」ですが、平坦ではない人生の道をも想起させて、なかなか奥が深いと仰ってくださる方も少なくありません。
以来20年間、東葛川柳会と機関誌『ぬかる道』は、川柳を生き甲斐とする皆さんに親しまれてまいりました。また川柳の楽しさを皆さんにもお裾分けしたいとPRもしてまいりました。
おかげさまで、発足時には数十名だった会員も、現在(平成19年8月)では350名を数えるまでに成長しております。有り難うございます。 (東葛川柳会旧ホームページより)

(2)IT化指向への発端

「東葛川柳会の新しいホームページのスタートを宣言します」、当会の初代代表・今川乱魚最高顧問の力強い宣言で、平成19年(2007)8月25日の当会記念句会に於いて、当会ホームページは、リニューアル・オープンした。
乱魚最高顧問は当会発足当時から、会運営の情報化を指向し、積極的に推進を指導されて来た。機関誌『ぬかる道』誌の表紙の下段に「本誌に載った川柳はすべてコンピュータ・データベースに登録されます」と書いてある。このデータベースについての記述が最初に見えるのは、平成4年(1992)5月号(通算55号)の巻頭言(乱魚筆)である。この巻頭言を読んでいて、ちょっと待てよ、と思う言葉に出会った。それは「短文芸バンク」という言葉である。この言葉が何時から誌上に出てきたか。ドンドン遡っていくと、驚く無かれ、『ぬかる道』第一号の更に前号(準備号)にこの言葉を見つけた。
「句会の進め方ABC」という記事の最後に、「撰者が選んだ句は、会報『ぬかる道』に印刷して…(中略)……参加者にお配りします。またいい句はコンピュータによる「短文芸バンク」に登録し、電子媒体を通じても一般の目に触れやすくします。」とあり、次頁にこのバンクから打ち出された「秋」の川柳が、2頁に亘って載っている。実に会の発足前から、IT化活動が始まっていたのである。 (山本由宇呆、東葛川柳会20周年特集記事より)

(3)既存の句会にない勉強会の魅力

  • 初心者にとって、句会は敷居が高すぎる。
  • 入選する・しないだけの句会に、初心者は魅力を感じない。
一方、勉強会の長所としては、
  • 講師の話が聞ける。仲間との懇談の機会にも恵まれている。
  • カルチャー教室や市民講座などから発展した会も多く、入会の動機や川柳歴がお互い似通っている。
  • 競吟の原理よりも、ともに学びあう雰囲気が優先されるので、安心できる。
  • 川柳以外の趣味や生き甲斐を持っている人も少なくない。過度に?川柳に深入りしたくないという方も。そんな人たちにとって、勉強会の方が居心地がよいようだ。
  • 中規模の人数で運営されていて、馴染みやすい。
といった長所が指摘されている。
 (江畑哲男著『よい句をつくるための川柳文法力』より抜粋)

(4)自由な句風と活きのよい活動

発会当初から、お互いの自由な作風を尊重しあいながら活動してきました。川柳にも、いわゆる右派・左派、伝統・革新、詩性派・抒情派・時事派・ユーモア派等々、さまざまな傾向があります。
「東葛川柳会の句風は?」とよく聞かれるのですが、あえて言えば「中道派」。いえいえ、川柳の「本道」「大道」を歩んでいるものと自負をしております。

東葛高生を招いて落語を聞く例会 平成24年(2012)

 

東葛新年幹事会・我孫子 平成26年(2014)

奇術を楽しむ題27回記念大会 平成26年(2014)

 

「狂言の笑いと魅力」の講演 平成30年(2018)

東葛川柳会のあゆみ

草創期(S62~H13)

  • 昭和62年10月24日
    東葛川柳会創立句会(於 柏市中央公民館)
    4名の発起人でスタート、創立句会参加者52名。
    代表:今川乱魚、事務局長兼『ぬかる道』編集長:江畑哲男
    機関誌『ぬかる道』創刊準備号発行
  • 昭和63年4月
    第1回吟行句会(流山七福神めぐり)
    以降ほぼ毎年吟行句会を実施
  • 昭和63年12月
    選句の合間を活用して、軽体操の時間を設ける
    指導:松尾健二
    句会場は柏市内諏訪神社社務所
  • 平成元年8月
    初代川柳二〇〇回忌句会墓石修復基金を句会場にて募る
  • 平成元年9月
    柳誌『ぬかる道』誌の外注印刷開始
  • 平成元年12月
    東葛川柳会の姉妹会として、つくばね川柳会発足
    会長:太田紀伊子
  • 平成3年5月
    第5回ヌーベル文化賞(選考委員長:砂川七郎)を今川乱魚代表が受賞
    5月23日(土)授賞式。
    我孫子市長、柏市教育長、山階鳥類研究所広報室長、渡辺蓮夫全日本川柳協会副理事長らが臨席
  • 平成3年8月
    雲仙・普賢岳噴火による被災者を、川柳と義援金によって見舞う
    以降、大きな災害が発生するたびに同様のお見舞川柳と義援金を募った
  • 平成4年11月
    『ぬかる道』誌、第三種郵便認可
  • 平成5年1月
    東葛川柳会新春句会にて、第1回「今川乱魚ユーモア賞」を発表
    以降、平成23年まで同賞の表彰を新春句会にて行う
  • 平成7年10月
    今川乱魚『乱魚川柳句文集』(崙書房)発刊記念大会を開催
    出席者241名
  • 平成8年2月
    『ぬかる道』編集長、松尾仙影に交替
  • 平成11年2月
    県立柏陵高校(江畑哲男事務局長の勤務校)春の甲子園大会出場決定
    句会場にて、応援献句とカンパを募る
  • 平成12年8月
    江畑哲男句文集『ぐりんてぃー』(教育出版)発刊記念句会開催
    出席者217名

発展期(H13~H29)

  • 平成14年3月
    江畑哲男が東葛川柳会第二代代表に就任
    幹事長大戸和興
  • 平成14年3月
    「江畑哲男代表就任、今川乱魚全日本川柳協会理事長就任パーティー」を柏市内ホテルにて開催
  • 平成17年3月
    初の台湾吟行句会を催行
    団長江畑哲男。参加者21名。
    日台合同句会を台北市内ホテルにて開催
  • 平成18年4月
    中澤巌、東葛川柳会第二代幹事長に就任
    江畑哲男代表、『ぬかる道』編集長兼任
  • 平成18年4月
    東葛川柳会創立20周年記念大会
  • 平成18年8月
    「東葛川柳会創立20周年記念、川柳立机250年記念、小林一茶没後180年記念、流山市制40周年記念大会」開催新ホームページ開設
  • 平成18年10月
    東葛川柳会創立20周年記念大会
    祝辞:頼柏絃台湾川柳会会長ほか。
    同夕、各界名士を集めて、「川柳ガンバレ ミニシンポジウム」開催
  • 平成21年1月
    それまで編集スタッフの一人だった山本由宇呆、『ぬかる道』編集長に正式に就任。
  • 平成22年4月
    初代代表今川乱魚死去
  • 平成22年9月
    「今川乱魚さんを偲ぶ会」開催
    出席者217名
    呼びかけ人代表大野風柳全日本川柳協会会長、同事務局長江畑哲男
  • 平成24年10月
    東葛川柳会創立25周年記念大会
  • 平成24年11月
    江畑哲男代表県立高校退官記念講演会開催(於東葛飾高校)
    記念講演「川柳の魅力、日本語の魅力」。参加者約200名。その後、アンコール講演会を翌年3月にも開催
  • 平成26年4月
    六斉堂茂雄、『ぬかる道』編集長に就任
  • 平成28年3月
    今川乱魚七回忌追善供養句会
  • 平成29年6月
    吟行句会(明治大学博物館、阿久悠記念館)
    「嘱目吟」に特化した新しいスタイルの吟行句会を展開(数年後、コロナ禍のため吟行句会中止)
  • 平成29年9月
    東葛川柳会創立30周年記念大会

円熟期(H30~)

  • 平成30年4月
    東條勉、東葛川柳会第三代幹事長に就任
  • 平成30年12月
    全日本川柳協会理事会に於いて、江畑哲男は同協会副理事長に就任
  • 平成31年3月
    江畑哲男代表ら、台湾川柳会創立25周年記念大会に出席
  • 平成31年3月
    台湾の静宜大学にて、江畑哲男代表が学生向けに「日本短詩型文芸の流れと川柳」、「台湾川柳の特徴と日本の川柳」の二コマを講義
  • 平成31年4月
    江畑哲男代表、早稲田大学国語教育学会にて「川柳、国語教材化への道」研究発表
  • 令和元年4月
    五月女暁星、第四代幹事長に就任
    その後、「事務局長」に名称変更
  • 令和元年8月
    江畑哲男著『熱血教師』出版記念大会を流通経済大学新松戸キャンパスに於いて開催
    柏市長ほか祝辞。出席者229名
  • 令和2年3月
    コロナ禍のため、当月の句会を初めて誌上句会に変更
    その後、何度か誌上句会に変更した
  • 令和2年4月
    『ぬかる道』誌に於いて、「アンダー49会員」制度(若手読者の優遇処置)創設
    川柳界初の試み
  • 令和2年10月
    東葛川柳会創立33周年大会を誌上大会に変更
    誌上大会は初めての措置
  • 令和4年4月
    副代表を置く
    川崎信彰・永見忠士、副代表に就任
  • 令和4年10月
    東葛川柳会創立35周年大会を開催
    記念DVDのための撮影のごほか、ケーブルテレビのカメラが入る。
    祝辞:杜青春台湾川柳会代表ほか
  • 令和5年2月
    記念DVD「目で観る東葛川柳会」完成
    会員に無料配布
  • 令和5年4月
    幹事長制復活
    永見忠士副代表が第五代幹事長に就任(副代表兼任)
  • 令和5年10月
    東葛川柳会ホームページ、三度目のリニューアル