コラム

人と川柳に一期一会

コラム

私の川柳には、2人の師匠がおります。81歳と97歳の先生。まさに一期一会。ひょんなことから川柳に出合い丁度一年、駆け出しもいいところです。体調不良から、いま要支援2を受けています。箸が持てず・左手不自由・歩行も杖と歩行器で。筆も持てなくなり、好きな書もおあずけ。ジェルペンなら何とか・・・。そのような状況の中で、タウン誌に投句した最初の川柳が何と特選!えっと驚き、それから川柳にはまりました。読書(月2~3冊)と平行して、50~60句ぐらいの中から選び、毎月投句してきました。しばらくして、両先生からすすめられて「ぬかる道」への投句を勧められ「ぬかる道」へ投句、第2のデビューです!あれから1年、毎月タウン誌と「ぬかる道」が送られてくるのが楽しみになり、元気をもらいました。

それまで私には3つの目標がありました。1つがレイソルのサッカー観戦。先日補助していただきながら柏のサッカー場へ行きました。TVでは味わえないあの臨場感「半端ない!」の言葉通りサポーターの人々の応援に脱帽。手の痛い私は拍手が精一杯でしたが夏の太陽に負けないで楽しませてもらいました。感謝のひとつです。

2つ目は、介護の身ですが日々の感謝に何か応える事はないかと思い「認知症の介助士」を目指しました。手足不自由でも何とかできないかと思い挑戦、そして見事認定されました。(しかも2か月で)自分もいつなるかわからないので、76歳の今がチャンスと思いました。こんな自分でも何かの役にたちたいと思ったのは、まさに川柳の力でした。投句する人のなかには、いろいろな人が居ることが読み取れました。また自分より年上の方が、こんなにも頑張っていることも川柳を通して知りました。76歳はまだまだです。

3つ目は、将来、車椅子になってもできることは何かと考え、思いついたのが「子ども川柳教室」です。もちろん一人ではできないので、支援の手を借り、応援して下さる方々を前提にです。我が家を開放し、コミュニケーションの輪を広げ、子どもたちと接したいと思いました。今、どの世界も若い人達の手が足りません。学校では、子ども達の居場所が少なくなっていると聞きました。賛同して下さる方がいらっしゃると、尚心強いです。この考えを起したエネルギーが川柳です。川柳は本当に不思議な文芸です。

おわりに、今年の5月は、自分のバース月にもかかわらずイマイチでした。室内転倒・寒暖差負け・インプラントの歯まで抜けました。それらの事をお二人の師匠にボヤいたら「継続は力なり」と異口同音に言われました。これはまさに自分が43年間携わってきた仕事のモットーでした。アドバイスしてくださったお二人に感謝です。川柳を詠むことは、エネルギーがいります。でも反対にエネルギーをもらうことも多いです。今風に言うと「ギブアンドテイク」でしょうか。それ以外に目には見えない不思議な魔力があります。それは、人と川柳との一期一会です。たった一年半ですが、この出会いを大切にして更に人生を学びたいと思います。ペンと紙を道づれに・・・。

西村 知惠子