- 司会:角田創
- 記名:日下部敦世 角田真智子
- 会場:柏市中央公民館
- 出席者93名、欠席投句者45名
今年も10月の第4土曜日、柏市文化祭あわせて東葛川柳会三七周年記念大会が、柏市中央公民館で行われました。昨年と違い私は選者の一人に選ばれましたので、残念ながら記念講演には参加できませんでした。この間、私は必死に選をしておりました。
はじめに
選者でしたが、私は早めの10時半ごろ会場へ到着致しました。既に永見副代表兼幹事長の指揮の下に会場の準備は万端整えられて、既に受付を済まされた方は句箋に句を書き込んでおられました。一方、披講会場でも書き垂れがいやがうえにも大会の雰囲気を盛り上げておりました。例年通り、酒井千恵子さんに依る式次第が墨痕鮮やかに貼られています。酒井さんは例会でもこのように筆で式次第を仕上げてくれ、東葛には無くてはならないお一人です。私も受付を済ませた後は句箋へ記入するために選者室へと向かいました。
選者室
ここでは既に私を含めた4人の選者の机が整えられており、静かに選が出来るようにとの配慮がなされておりました。本日の選者は小林信二郎氏(川柳甲斐野社)、駒木香苑氏(川柳能因会)、植竹団扇氏(東葛川柳会)の各氏で、皆さん達吟家でかつ選者経験も豊富な方ばかりです。私の柳歴はまだ10年程で、このような大きな大会の選者は数える程度に過ぎません。伝統ある大会で機会を頂いた江畑哲男代表に感謝申し上げると同時に、緊張感も大いに高まって来ておりました。幸い3人の選者の方とは他の大会等でもお目に掛かった事があり、いろいろなお話もして頂けました。また時折、選者室を出て久しぶりにお会いした方々とお喋りしながら選までの時間を楽しみました。
出句の締め切りは12時半ですが、それに先立ち欠席投句45名分の句が届けられ、ちょっと余裕を持ちながら選句をすることが出来ました。その後、美味しい幕の内弁当を頂きながら、出席者の句を待っておりました。
出席者の句が届けられてからは、もう戦場の忙しさです。選句は特選3句、ユーモア句2句を含めて約60句と定められております。私の流儀は昔、故阿部勲氏に教わったように、先ず句を三つの山に分けます。文句なしに抜く句、迷う句、落とす句の三つです。特選とユーモア句の候補は抜く句の山の端に置き、早めに候補を出し、後であたふたしないようにと心掛けております。大会になると句数も多く、抜かなかった句の山を見直すことが出来ないのが心残りです。
4人の選者の特選3句からタイトル賞が、ユーモア賞2句からは大賞と準賞が決められました。特にユーモア賞は今川乱魚氏からの東葛の目玉でもあります。各地の大会や句会でもっとユーモア句を大事にしてほしいといつも思っております。このようなユーモア賞が無い場合には、抜かれてもほとんど賞の対象にはなりません。
記念講演&軽体操
選者室に籠っておりましたので、この項は別の方の記載をご覧下さい。
代表挨拶と披講
江畑代表挨拶
少子高齢化が悪い事ばかりのように語られていますが、そんなことはありません。年齢が上がっても川柳を愛し、川柳仲間を愛しながら生きて行くことの素晴らしさを実感して行こうとのお話でありました。その後、今日の選者の紹介があり披講に移りました。
披講
大会の司会はいつものように角田創さん、文台は日下部敦世さん、角田真智子さんの両ベテランが務めました。本日の参加者は93名、投句は45名との報告がありました。参加された方は千葉県内はもとより、都内、茨城、埼玉、神奈川と関東一円から見えておりました。
宿題「西」小林信二郎選
同氏とは今月の東京みなと番傘の60周記念大会の懇親会で隣同士になりました。また先月は上野精養軒で開かれた日川協の常任幹事会でもお会いしています。何事もはっきりと意見を言う方で、現在の川柳会における因習、問題点をズバリ指摘されております。
小林氏は冒頭「西」が課題として作りにくかったのではと言われましたが、私も作句にちょっと手こずりました。同氏は声も大きく堂々たる披講はさすが手慣れた方だと、私がお手本にしたいお一人です。
宿題「鍛える」駒木香苑選
数年前に川柳マガジンの表紙を着物姿で飾られたことを思い出しました。初めてお会いしたのはやはり日川協の常任幹事会でした。駒木氏の川柳能因社は福島県白河市で昭和2年創立と極めて伝統のある吟社です。お話を伺うと、福島だけではなく東北一円の活動にも関与されているようです。駒木氏のゆったりと、句を噛みしめるような披講ぶりは、さすが年期が入っていると感銘を受けました。
宿題「刺激」矢嶋もと之選
限られた時間の中で、没句を読み返すことも出来ませんでした。選がどうであったか、やはり今でも気になっており、活字になった時にもう一度きちんと読み返してみたいと思っております。それがこれからの選者としての糧になると信じております。
宿題「青年」植竹団扇選
披講後、タイトル賞とユーモア賞の表彰がありました。詳しくは別掲をご覧下さい。ユーモア大賞と準賞には愛知県の八甲田さゆりさんから今年も送られて来たお酒と五平餅が賞品として手渡されました。このような方がいると大会も盛り上がりますね。有難うございます。
終わりに
今年も無事大会が終了致しました。大会でしかお会いできない方と再会を喜んだり、逆に昨年お会いしたが今年は見えなかった残念な方もおられました。川柳を愛し、川柳仲間を愛する東葛川柳会がますます発展するように祈って、会場を後にしました。