巻頭言『私のリーダー論』
高市早苗内閣が発足した。第104代の総理大臣の誕生である。わが国では初めて、女性の宰相が生まれたことになる。米国よりも先にガラスの天井を打ち破ったのだ。女性の地位向上という観点からもまずはお慶び申し上げたい。
むろん、政治的評価は立場によっていろいろあるだろう。そんなことは百も承知だ(二百も合点!)。
念のために申し上げておくが、小生は無党派である。特定の支持政党はない。その小生ですら、新しい内閣が「何か」をやろうとする熱意はビンビン伝わってくる。それゆえ、支持率が高いのであろう。久々に日本が動き出そうとしている。そう感じる昨今である。
必要な手はアクティブに打つこと。組織が「元気」になる秘訣の一つでもある。
大好評! 38周年大会の記念講演
「柏市文化祭川柳大会あわせて東葛川柳会創立38周年記念川柳大会」は、例年通り柏市中央公民館にて開催された。
今年、記念講演者としてお迎えしたのは、中山 理(おさむ)先生であった。柏市内にある麗澤大学の前学長をお招きすることが出来た。
先生は同大学の学長を12年間務められ、海外で15カ国もの講演をこなされてきたという。テーマは道徳教育や日本文化である。
事情があって講演録は再現できないが、雰囲気だけでもここでお伝えしておこう。筆者自身の感想も交えつつ。
講演パート①
学ぶことは楽しい、人との出会いも楽しい!
江戸後期の儒学者・佐藤一斎の言を引いて、「学びの楽しさ」を格調高く語られた。佐藤一斎は西郷隆盛や幕末の志士たちに大きな影響を与えた人物である。その言を、本号『ぬかる道』「ポエムの貌」にも採録しておいた。
中山先生は同時に、高齢者の多い川柳人の「学び」にも着目し、学ぼうとする私たちを励ましてくれた。川柳人の学びに敬意を表するという気配りを忘れていなかった。このあたりの導入はさすがである。
学長時代のエピソードが楽しかった。
名門女子校モントローズ校での女子生徒との触れ合いとハグ。多少「はにかみ」を含みながらの思い出話だった。
ダライ・ラマ法王14世との対面では、チベット仏教と量子論の世界観との共通性に言及する。こんなくだりは他の講演会ではめったに聴けない。
小生が印象に残る言葉もあった。欧米崇拝志向が蔓延する中で、西洋人が聞きたいのは「日本的なものの考え方」だ、という指摘である。なるほど。大いに参考になった。
パート②
日本文学と西洋文学の違い比喩と自然観
「Snow White is beautiful like a rose. 」(白雪姫はバラのように美しい)。直喩(simile)にも触れていただいた。ホメーロス『イーリアス』や、『万葉集』の自然主義(shizen ism)にも目を配っておられた。
聴いていて小生は嬉しくなった。各地川柳教室で、比喩(直喩、隠喩、擬人法ほか)などの「詩の基本」を教材化してよかったと改めて思い直した瞬間である。
パート③
自然を手本にする日本人の美意識を茶道の中に見てみましょう!
このあたりから、講演はいよいよ佳境に入る。
「日本文化における千利休の偉業」、ご高著『日本人はなぜ欠けた茶碗を愛でるのか』(育鵬社、2021)。
クライマックスは、「金継ぎ」であろうか。金継ぎは単なるリサイクルではなく、壊れたモノの美的価値をさらにあげる究極のリサイクル技術、と喝破された。お見事!、というほかはない。
以下、ゴメンナサイ。紙数の関係で割愛させていただきたい。大変、残念だが。
いずれにしろ、レベルが高かった。それでいて親しみの持てるご講演だった。参加者の皆さんの感想が何よりこのことを物語っている。
講演の感想。何人もの方々からいただき、今月号『ぬかる道』「声」の欄に掲載しておいた。ご参照いただこう。
講演果ててのち、小生は中山先生にそっとメモを手渡した。メモには「明快、痛快、愉快!」と書かせていただいた。先生からは満足そうな微笑みが返ってきた。
60分強の講演だった。小生が何より感激したのは内容はもちろん、先生ご自身の姿勢であった。終始楽しそうに話をされていたのだ。学ぶべき姿勢だと感じ入った。
とかく、最高学府のトップ教授ともなると、聴衆を少し見下した(=「こんなことも分からないの?」)態度が垣間見えることがある。中山先生にはそうした姿勢が微塵もなかった。広くて深い教養に加えて、お人柄の良さも十二分に窺えて、楽しくてタメになるご講演だった。本当に有り難うございました。
リーダーの要件とは?
はてさて、リーダー論である。
この秋、政界の混乱が長く続いた。そんなことも影響してか、リーダーとはどうあるべきかを考える好機にもなった。小生なりに整理をしてみよう。
- まずは、明るさ。リーダーには明るさが求められる。昨今のように混迷した政局ではなおさらのこと。ネクラのリーダーはダメ。とりわけ、趣味の会ではそうだろう。
- 明るいだけで頼りないリーダーは、これまたダメ。リーダーに求められる明るさとは、ビジョンを持った明るさだ。展望を持たないと、リーダーシップも発揮出来ない。
- 冷静な判断力と確実な行動力。この二つはセットにして考えたい。その上のプラス志向でありたいものだ。
東葛川柳会も40年近くの歴史を経て、いま一種の岐路にさしかかっている。チーム東葛の和を大事にしながら、皆さんのご理解とご協力を得て前進を図って参りたい。
