B29の贈り物

B29の贈り物

「B29の贈り物」⑨

妹の誕生小学2年生の時、妹が生まれた。長い間、一人っ子として育てられたので、兄弟喧嘩の経験がなかったし、赤ん坊をどう扱っていいものか、判らなかった。珍しい生き物みたいな思いで、飽かず眺めていた思い出が...
B29の贈り物

「B29の贈り物」⑧

父の復員父が何時頃復員してきたのか、この記憶だけはひどく曖昧である。幸い私の家は焼け残ったし、伯父、伯母、母とも生き残ったし、食料は米どころの富山平野のど真ん中で、伯母が元農家の出で、昔取った杵柄、近...
B29の贈り物

「B29の贈り物」⑦

長いながい夏休み初めての夏休みは、7月21日から9月30日まであった。いろんな事がありすぎて、初めて学校という社会に入った一年生にとって、大変な変化が訪れようとしていた。いや、大人にとっても、初めての...
B29の贈り物

「B29の贈り物」⑥

後れて来た終戦私のニュースソースはお隣の同級生の洋子ちゃん。彼女の長兄は旧制富山高校(現富山大学)の学生、次兄は富山薬専(現富山大学薬学部)の学生、三兄は同じ国民学校高等科の超秀才。広島、長崎の新型爆...
B29の贈り物

「B29の贈り物」⑤

焼け焦げの死体の山、……我が家があった街へ近づくにつれて、異様な匂いが流れてきた。酸っぱいのと、ゴミを焼くのと混ぜたような、異臭である。焼け残ったレンガ塀の角を曲がった時、眼に入ったのは、黒焦げの死体...
B29の贈り物

「B29の贈り物」④

逃げる庭先に最初の焼夷弾が落ちた時、物凄い勢いで走り出した母の後を、必死で追いかけているうちに、下駄の鼻緒(前緒)が切れた。思わず立ち止まった私を、母が怒鳴る。「何やってるの、早く来い!」我に返ると、...
B29の贈り物

「B29の贈り物」③

富山空襲始まる「富山市の昭和20年8月2日午前0時」点けっぱなしの家の中のラジオが「JOIG(富山放送局のコールサイン)、これから、午前零時をお知らせします。」と言って、「ピッ、ピッ、ポーン」という時...
B29の贈り物

「B29の贈り物」②

空からビラが・・「富山市の昭和20年7月29日」夏休みに入っても、近所に同じ年代の男の子がいなかった所為か、戦時下の危なさの所為か、外で遊ぶことは稀であった。何時警報が出ても、すぐ家に帰れるように、あ...
B29の贈り物

「B29の贈り物」①

初めて見上げた星空昭和20年8月1日、午後8時、昼間から出たり消えたりしていた空襲警報が、いよいよ本物の空襲警報となって、庭先に作られた防空壕へ、否応無しに放り込まれた。防空壕からでも聞こえるように、...