小学生のころから、手紙を書くのが好きだった。お気に入りの当時流行っていた水森亜土のイラストの便箋と封筒を、揃いで何パターンか持っており、その時の気分で絵柄を選んで書いていた。
相手は当時同居していなかった父や母であったり、転校していった友人にも書いた。あのころは雑誌にペンフレンド募集などというコーナーもあり、そういうところに出した記憶もある。
今でいうなら、スマホの出合い系アプリみたいなものだろうか。手紙は当然、手にペンを持って書くので、漢字がすぐ出てきさせすれば?スマホのボタンを押すより文章作成は早い(あくまで私の場合)長文となればなおさらの感がある。途中でボタンを間違えて折角作ってきた文章を消去してしまったり、まだ途中なのに、これまた間違えて送信してしまったり‥あなたがドンくさいから?と、言われたらそれまでですが、手にペンを持った方が私には早いし向いている。肉筆というだけあって、ときには正直な感情や心の動きが、筆跡に表われてくるのも面白い。
しかし相手に届くのには、少し時間がかかる。最近は土日祝日は配達が無くなり、切手代も値上りして考えものだけれど、そうは言っても、この物価高に百十円で全国どこへでも届けてくれる、と思えば安いものかもしれない。特別急ぐ要件でもないので、相手を思いながら便箋の絵柄を選び、気の向くままにペンを走らせる書きしゃべりは、やはり楽しい時間だ。
学生時代の友人や幼なじみの消息が分ると、どちらからともなく手紙を出し合うようになった。もちろんこの年齢になれば、水森亜土のようなアニメチックな絵柄ではなく、花鳥風月や季節感のある模様が多い。
そのうちいつからか、手紙とメールをミックスして遊ぶようになってきた。手紙の内容にふさわしい写真をメールで送り「手紙の付録でーす」などとコメントしたり、「手紙着いたよ!〇〇って何のこと?」などと、肉筆からライントークに進んでみたり・・・。
昔は焼き増しして、同封したものだったし、即、質問ができるなんてこともなかった。
あの作家の林真理子も、パソコンを覚えようとしたが、やっぱり自分は手書きがいいと
今だに肉筆で原稿書きをしているとか。通信手段や文章作成は、目的や状況によって選べばいいのだろう。手紙とメールを併用しながら面白く楽しんでいる。自由時間たっぷりの私、です