ぬかる道巻頭言コラム

【『ぬかる道』第461号 巻頭言】
『「活気」の背景』

ぬかる道巻頭言

巻頭言『「活気」の背景』

江畑 哲男

1月24日(土)の新春句会、おかげさまで盛会となった。盛会だったことに加えて、「活気に満ちた句会でしたね」というお褒めの言葉をたくさん頂戴した。有難うございます。御礼を申し上げるとともに、本号32ページの「声の欄」にもご注目いただければ幸いである。(※ページ下に掲載しています)

ところで、この場合の「活気」とは何なのか?川柳の会における「活気」とは?後ほど触れてみたい。会が活気づくというのは、どのような場合を指すのであろうか。今月はこの点をご一緒に考えてみよう。

40年目の東葛川柳会

その前に、新春句会の代表挨拶を再現しておく。

わが東葛川柳会は足かけ40年の節目を迎えた。40年という年輪には重みがある。むろん、創立100 周年以上になんなんとする吟社にはとても敵わぬ。比較にもならなない。だが、それでも40年という月日は長い。日本人の平均寿命の約半分に相当する。私事ながら、私・江畑哲男は、東葛川柳会のために(!)人生の半分以上を捧げていることになるのだ。

東葛川柳会が発足したのは、昭和の終わりだった(昭和62年10月)。時代は平成を経て、いまは令和の世となっている。その令和もいつの間にか8年が経過した。時の流れというのはじつに早いものである。

この40年間。世界は大きく変わった。日本も変わった。そして現在も変わりつつある。とくに変わったのが、平和と安全に関する認識ではなかろうか。

この巻頭言は2月12日に書いている。自民党圧勝の選挙結果も我が国の平和や安全が「当たり前のこと」ではなくなったことの証かも知れない。平和とか安全というのは、実際は不安定で壊れやすいものなのだ。残念ながらこうした認識を共有せざるを得ない国内外の情勢である。

変わる世の中、変わらない川柳界

私たちを取り巻く環境もまた変わった。そしてその変化というのがすさまじい。大多数が昭和生まれの川柳愛好家の、たぶん実感であろう。

新春句会の代表挨拶では「第十五期中央教育審議会一次答申」に言及した。再録すればこうである。

これからの社会の変化は、これまで我々が経験したことのない速さで、かつ大きなものとなる。…国際化、情報化の進展と科学技術の発展、地球環境問題、エネルギー問題への取組の必要性、少子及び吉向齢社会の対応…

上答申が出されたのは、平成8年(1996)のこと。世の中は、この答申の「予言」通りに変化した。そしていまなお、恐ろしいほどのスピードで変化をし続けている。こうした中で変わらないのが高齢者だ。川柳人(界)はその最たるものかも知れぬ(むろん変化しないことの良さも多々ある。ココでは割愛させていただく)。

その川柳界も変わりつつある。正確に申せば、変わらざるを得ない状況下に置かれている、と言うべきか。

変化の大きな転機となったのが、三つ。東日本大震災とコロナ禍、それとIT化である。コロナ禍を例に取れば、当時川柳界は三Kに悩まされた。三Kとは何か?①コロナ禍、②高齢化、③硬直化、の三つだ。

この三Kによって、川柳界(人)は相当に痛めつけられた。コロナ禍以前、高齢者は「アクティブシニア」と賞賛されもしたが、コロナ後は慎重になり、臆病にもなり、個人支出も行動範囲も縮小の一途をたどっている。

そのコロナ後。(仕方ない面もあるのだが)多くの川柳人は「守り」に入っている。自らのテリトリーを守ることに汲々としている。果たして、コレでよいのか?
小生などは、(立場上も含めて)せめて「硬直化」だけは避けたい・脱したい。そう願っている一人である。

東葛川柳会の新春句会を例にとろう。かつて新春句会では特別講演をも企画していた。数年前からそれを止めた。理由は、世話をする人員が不足してきたからだ。手が足りなくなってきたことが大きな要因であった。

とは申せ、新春句会である。賑わいは保ちたい。それゆえ、例月以上に華やかなゲストにお越し願った(昨年の小島蘭幸理事長、今年のやすみりえさん・平井美智子さん)。
思いきって参加費の値下げも断行した。それまでの1500円から1000円への値下げ。手前ミソだが、東葛の現状と新春らしさを両睨みをしながらの結論であった。柔軟な企画変更だったと信じている。

話を元に戻す。アタマを柔らかくして、古いしきたりにとらわれないで、課題に対処したい。オソロシイ勢いで進む高齢化と人材不足(そう言えば高齢化を「国難」と捉えた政党があった)。これらと真正面から向き合う必要がある。

当然ある。そう考えている一人である。

「活気」の背景をさぐる

さてさて、「活気」とは何か?まずは近ごろ流行りのAIに聞いてみた(笑)。

活気とは、場所や集団が生き生きとして、活発で賑やかな状態や雰囲気のことです。人々がエネルギーに満ち溢れ、活動の根元となる気力や勢いがある状態を指し、商店街やイベント、チームなどにおいてポジティブな「賑わい」や「生気」を表現する言葉として使われます。

上を小生なりに、そして川柳的に「翻訳」してみる。

  1. 元気があること。若さがあること。エネルギーに満ちていること。「目標」に向かっていること。
  2. 賑わいの背景には、当然お金も絡む。乏しい財政からは貧しい企画しか生まれない。活気あるイベントには金銭的余裕があることも大切な要素だと思う。
  3. 知的好奇心が満たされること。句会に限定して整理すれば、左記のようになろう。

魅力的なゲストをお招きする。個性溢れる選句をお願いしながら。出題は時宜に叶ったものが良い。明る<、テンポのよい運営を心がけたい。要は、「参加して良かった」と言われることだ。「抜けた・抜けない」以外の知的お土産をお持ち帰りいただけるよう配慮をしている。

その句会。東葛川柳会は、来客への気配りの良さが以前から評判になっている。句会の応対の良さが抜群のようだ。

句会関連の幹事をはじめ、東葛スタッフの皆さんに改めて謝意を表したい。有難うございます。

結びは事務連絡。幹事会総会を、都合により4月25日(土)に開催する。同人総会は5月23日(土)の句会日に開催。大事な総会である。今からご予定願いたい。

短信より
  • 新春句会のご盛会、誠におめでとうございました。1/26 S・C子

    〔編集部:同趣旨のお手紙やメールをたくさん頂戴しました。有難うございます。〕
  • 江畑先生新しい年が始まりました。どんな午年になるのか、ワクワクします。
    「老いた旬を詠めばますます老いてくる」、先生のこの句に一撃を食らいました。老いに甘えていました。身体の老いは仕方ありませんが、せめて気持ちだけは晴れ晴れとした生活を心がけ、ユーモアのある句を作りたい。…
    1/27 (流山市)横山美枝
  • 江畑哲男先生
    新しい年が始まりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。気持ちを新たにして、思うこと.感じたことを表すことができたらと思います。よろしくご指導、お願いたします。
    1/27(鎌ヶ谷市)諏訪洋子
  • 江畑哲男先生先日は素敵な一日をありがとうございました。それにしてもあんなに凄い選者さんに来て頂ける東葛はこれまた凄い。名吟に魅せられクラクラした一日でした。
    1/28 (水戸市)佐瀬貴子
  • 久しぶりに東葛川柳会に参加しました、半年ぶり?いやもっと間が空いたと思いますが、多くの方に声をかけられて嬉しかったです。
    1/28 (野田市)松本千丸