定例句会

句会の表情(増田幸一顧問祝白寿記念/東葛川柳会六月句会)

定例句会
江崎紫峰

  • 司会:角田創
  • 記名:月岡サチヨ 伏尾圭
  • 会場:アミュゼ柏一
  • 出席者:75名、欠席投句者35名

本日(6月28日)は増田幸一顧問祝白寿記念句会のため、皆様の集まりがとても早く、時間を前倒しして受付を開始致しました。参加者は参加費を払い、句箋と和菓子と顧問のプロフィールが入った紙袋を貰って会場内へ。私も出句を早く済ませ、顧問と雑談。顧問は既に2027年の全日本川柳大会東京大会への参加を視野に入れていらっしゃるご様子でした。

【第一部】祝賀会の部(14時40分ー15時00分)

江畑哲男代表挨拶

コロナ禍以降、川柳界でも句大会が開催できなくなり、高齢者は外に出ない、出られない。かってのアクティブシニアもフレイル化し「ユーモアたっぷり、情感溢れる、粋な川柳の世界」が一時期影を潜めてしまいました。

その後コロナがようやく明け、全日本川柳大会も昨年6月に5年ぶりの広島大会が開催され出席者は400名。今年6月の神戸大会は出席者560名(事前投句者は一般1523名、ジュニア2770名)の多きに及び、6年ぶりに懇親会(出席者140名)も復活致しました。

さて、人生百年時代ですが、大切な命をどう輝かせるかが大事と考えます。

  • 我らが増田幸一さんは、健康長寿の見本であり、川柳人のお手本であります。私ども東葛川柳会の句会にも毎月顔を見せ、若々しい自作を披露されています。
  • 我らが増田幸一さんは、今なお現役の川柳作家です!東葛句会はもちろんですが、都内などの句会を併せて5〜6か所に顔を出しています。時には北関東にまで顔を出されているようで、驚くほどの行動力です。お人柄も温厚、川柳の仲間からも慕われています。こんなに活動的で、趣味を楽しんでおられる白寿をみたことがありません。
  • 本日は幸一さんのお祝いでありますが、我らも幸一顧問の健康長寿にあやかりたい。あやかりましょう!今日は、そのための記念句会と祝宴であります!

来賓挨拶阿部俊昭県会議員

昔私は教師をしていましたが、増田幸一様の強いご支援もあって三期ともトップ当選させて頂きました。昨晩必死で作った「増田幸一様川柳功績図表」にそって、祝白寿のお祝いを述べさせて頂きます…と、心温まるお言葉を頂戴致しました。

感謝状贈呈(江畑代表より)
花束贈呈〈花束〉船本庸子幹事 〈祝い品〉西村知恵子様
謝辞増田幸一顧問

【第二部】記念句会(15時00分〜〜16時10分)

時間が押していたため休憩もほとんどなく開始。
江畑代表から開会の挨拶と本日の選者紹介があり、すぐに披講を開始しました。披講の時の雰囲気をお伝えします。

宿題「増す」米島暁子代選(松戸川柳会)

予定選者の突然のご都合で、急逮米島暁子様が代行されて出席者75名と欠席投句者35名の選を行い、文台との連携よろしく実に娼やかにかつゆったりとした披講をされ、会場の皆様はすっかり魅了されました。
若干手前味噌になりますが、当会の受付.司会・文台・配景その他スタッフの対応(オ・モ・テ・ナ・シ)にも外部からの皆様は満足されたご様子でした。

宿題「田園」いしがみ鉄選(川柳研究社)

いしがみ鉄様は昔から江畑代表とはご盟友とのこと。また音楽方面にもとても見識が高いとご評判でしたので、ご参加された方も欠席投句された方もさぞ作句に力が入ったことと思います。私の田舎にも「田園」いう名の喫茶店があり、私も6番の一部を少し齧りました。

宿題「ハッピー」渋川渓舟選(川柳きやり吟社)

渋川渓舟様は披講する前に、「増田様は若い時に九死に一生を得る体験が三度ありました」と仰り会場がざわっきました。そして、渓舟様は増田様がきやりの会報に発表されていた内容を会場でお読み上げなさいました。
白寿・百寿に到達するには、ご本人の努力だけでなく運と神様のご加護も必要なのですね。

宿題「一」3句連記 川崎信彰選(東葛川柳会)

川崎信彰様は全員の句から秀句を抜き出し、披講の時は記念句会終了時間(16時10分)に合わせ、浪々と披講されました。

【後片付け】最後に全員で記念句会場の後片付けを済ませ、祝宴にご参加の方は木曽路へと急がれました。祝宴会場の情況につきましては下記をご参照下さい。

江畑哲男代表の挨拶

代表より感謝状授与

幸一顧問より謝辞

懇意の阿部俊昭県議会議員と

 
 

引き出物
(鶴と亀をあしらった和菓子)

  

白寿を祝う宴

川崎信彰(増田幸一顧問白寿を祝う会実行委員長)

先ずは実行委員長就任のお話から。川柳新潮社や川柳江戸川吟社に顔を出していると、幸一さんの投句が良く抜けるのです。出席者の私の遥か上をいっていました。作品はどれも人真似ではない創作品で、ユーモア、時にはお色気、で会場を湧かせていました。東葛で幸一さんにお会いした時、思い切って川柳会・新樹の顧問就任をお願いしたところ、タイミングもあったのか、ご快諾を頂きました。百歳まっしぐらのご老体なら、普通置物のように扱う筈であったのが、幸一さんは選者、自由吟の評価、幸一さん独自の選者感、作句論などを惜しみなく発露され、その活動は留まるところがなく舌を巻いてしまいました。句会報で「東奔西走」という出張報告欄はいつの間にか幸一さんの活動報告で塗りつぶされてしまいました。名だたる句会、川研、きやり、川柳同人社などの句会での活躍が毎月のように報告されました。幸一さんの作品で不思議なのは、年齢を感じないのです。高齢になるとよくある、老いや体の不自由を詠む作品は全くありませんでした。彼はそれについてコメントしたことも、ありませんでした。川柳会・新樹ではことある毎に幸一さんの長寿のお祝いを重ねておりましたところ、江畑哲男代表より百寿を待たず幸一さんの白寿のお祝いを東葛で実行するお話があり、大筋から細部に亘るまで、哲男代表から計画の提案があり、私は幸一さんと御縁があると言うことで、実行委員長をおおせつかりましたというのが顛末であります。

白寿を祝う宴アミュゼでの増田幸一さん一色の記念句会を終了、予定より20数分前、16時を過ぎた頃に三句連記「一」の披講を終了、安堵しました。即、後片付けと祝宴会場木曽路へ出発班に分かれて作業開始。木曽路からの出迎えのバスに、ゲスト、関係者が矢嶋もと之さんの先導で満席乗車。会場は、1階の和室3室ぶち抜き、50人弱が着席しました。司会は伊師由紀子さんと山崎智さんがにこやかに待ち構えておられました。

会場には、祝白寿の貼り紙が準備されていました。開会の挨拶と乾杯は、川柳人協会事務局長の大野征子さん、協会としても、幸一さんを特別功績者として表彰されたそうですがその後力強く乾杯の音頭をとられました。最初の挨拶は柏市文化連盟会長鈴木将勝さん、幸一さんは文化連盟の活動に貢献され、長期間理事を務められたお話がありました。会長との交流は長きにわたり、親睦を深められたご様子でした。次はメンバーの大平小鈴さんの飛び入りのお祝いパフォーマンス、用意された金ぴかの衣装で踊って雰囲気をぐーっと盛り上げてくれました。料理は和食のフルコース料理、酒も美味しく飲ませて頂きました。酒が過ぎたせいか実行委員長の御礼のご挨拶が脱線し、「川柳は面白くないと生命を失う」と持論を展開してしまいました。最後は司会山崎智さんの発声による「万歳三唱」で祝宴は無事に終了、駅までのバスも用意されていました。

川柳会でこのような白寿のお祝いを行ったことは恐らくこれまでなかったと思います。幸一さんは続く会員を期待するといわれました。続く会員の皆様、健康と川柳にご精進下さい。今回立案、実施に率先された江畑代表、会をバックアップされた会員の皆様に感謝申し上げます。皆様の祝吟もお預かりしました。東葛川柳会が結束を深めた熱い一日でした。


祝賀会会場でのクライマックス

白寿記念句会の御礼にかえて
増田幸一

令和7年6月、息災で98歳を迎えました。数え歳では99歳、白寿ということになります。

6月28日定例の東葛川柳会を小生の白寿を祝う記念句会として開催されました。席上江畑哲男代表より表彰やら過分のご褒美や豪華な花束も頂きました。身に余る光栄と感謝の気持ちでいっぱいです。柄にもなく胸熱くなる思いでした。厚く御礼申し上げます。
思えば平成10年川柳を始めて28年、健康に恵まれ所属の東葛川柳会に殆ど無欠勤と言ってよいほど楽しく過ごさせて頂き、他の句会にも出席するからには継続したい(投句でも)と頑張ってきました。90歳のときにも卒寿祝いの花束を頂きましたが、それ以来江畑代表に「100歳のときは盛大に祝いたいね」と冗談交じりに肩を叩かれてきました。但し寝たきりの長生きは除きますと笑われました。僕も「うかつには死ねませんね」と冗談を言い合ったものです。

今日その盛大な祝いが現実となって開かれました。感謝の心でいっぱいです。東葛の皆さんワンチームとなっての企画と開催に心からお礼申し上げます。

95歳を過ぎた頃からどこの句会も出席すると必ず健康の秘訣を聞かれました。正直特別なことは何もしていない、スポーツはダメ、散歩も苦手、かと言って体を動かすことを厭うタイプではない。運動は庭の手入れぐらいか。強いて言えばよく眠る。夜は8 時就寝、6時起床、昼間の転寝は遠慮せぬ。(これは免疫力を高めるのに効果があります)。酒は好きですから適量を意識してよく飲みます。

僕はエリザベス英国女王と同じ歳で長寿の目標にしていましたが、先年逝去されました。残る目標はギネスの記録にでも挑戦することになりますか?

ひと言に健康と言っても心身健全、健康長寿が課題となっている昨今です。

100歳を超える超高齢は凡そ9万人、その内施設や病院での寝たきり人口はどれほどか。五体の健康については皆さんそれぞれにノウハウをお持ちでしょうが、健全にして明朗な心の栄養には川柳ほど最適な文芸はありません。僕の心身健康の源泉は川柳と言っても過言ではありません。若い人はもとより、シニア世代に川柳ほど最適な趣味はないと思っています。何よりも知的な作句活動は脳トレそのものに他なりません。

昨今高齢化がすすみ、各吟社とも会員の減少傾向に悩まされていますが、今一度川柳の意義を広い視野で見直す必要があるのではないでしょうか。人生100年時代に対処する趣味として益々の隆盛を願ってやみません。小生も句の切れ味は鈍くなりますが続けたいと思いますのでよろしくお願い致します。

令和9年の日川協全国大会は東京開催と決まりました。小生は丁度100歳になります。東京大会には成果は抜きにして投句したいと思っています。そしてその辺りが小生の引き際に格好いいように思います。とまあ、自称ロマンチストは考えているのです。

今日の祝賀句会が高齢と呼ばれる皆さんの長寿の後押しにいささかお役に立てれば望外の喜びと思っています。本来ならば拝眉の上御礼申し上げるところ『ぬかる道』誌面をお借りしてお礼に変えさせて頂きます。ありがとうございました。