定例句会

三月句会の表情(令和6年3月)

定例句会
矢嶋もと之

  • 司会:角田創
  • 記名:伊師由紀子 角田真智子
  • 会場:三協フロンテア MS CAMPUS 講堂
  • 出席者49名、欠席投句者37名

はじめに

3月の句会場はいつものアミュゼ柏と違い、初めて行く流山三協フロンティア MS CAMPUSとのことです。

自宅の浦安からどう行くのか調べると最寄駅はつくばエクスプレスの柏たなか駅、小1時間ほどで到着すると分かりました。この日は3月も下旬だと言うのに小雨交じりの寒い日でした。流山は千葉県でも今や注目の人気の地域で、私もどんなところか興味津々で出かけました。しかし柏たなか駅に降り立つとがらんとしており、空き地だらけです。まさにこれから開発が始まるという印象でした。

駅から5分ほど歩くと、今日の会場に到着しました。三協フロンティアは仮設住宅や立体駐車場などで千葉県でも有数の会社とのことです。また柏レイソルのスポンサーでもあります。会場ヘ一歩入ると天井も高く、広く立派であることにまずびっくりしました。なるほど音楽ホールとしても使われているとのことで、この素晴らしい会場は永見忠士副代表の力添えがあったと聞いております。

素晴らしい音楽会

いつもの句会ですと投句締め切り後は披講までお喋りをしたり、藤田光宏さんの気功があったりですが、今日は2時から新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会が予定されておりました。

クラシックに全く縁のなかった私ですので、弦楽四重奏を聴いても居眠りするのではと思っておりました。しかしプログラムを見ると、かつて耳にしたことのある曲ばかりで少し興味が湧いて来ました。演奏が始まると退屈どころか熱心に聴き入っている自分にびっくりしました。
最初はクライスラーの愛の喜び、バッハのブランデンブルグ協奏曲、ヴィヴァルディの四季から「春」など、私でも馴染の曲ばかりでした。

小1時間の演奏を聴き終えて、今日の句会は全没でもいいと言う気にさえなるほど感激致しました。こんな贅沢な句会は全国広しと言えど、東葛だけでありましょう最後に船本庸子さんから楽団員へ花束が贈られました。

弦楽四重奏の演奏に酔う(遠景からの撮影許可)

句会

参加者は出席が49名、欠席投句が37名の86名でした。天候が悪く、かつ会場が変わったためでしょうか、出席者がいつもより3割程度少なくなっておりました。今日の素晴らしい演奏が聴けなくてお気の毒さまでした。司会はいつもの角田創さん、文台は角田真知子さん、伊師由紀子さんです。

江畑哲男代表挨拶

今日の課題の説明がありました。会場と演奏に因んで「音楽一切」、三協フロンティアから「協力」と「フロンティア」にしたそうです。音楽一切の課題にふさわしく、クラシックから演歌まで愛するいしがみ鉄氏をゲスト選者へお呼びしたそうです。

披講

宿題「音楽一切」いしがみ鉄選

いしがみ氏は昨年から川柳研究社の代表を務められております。江畑代表の紹介にあったようにクラシックからジャズ、歌謡曲も愛する今日の宿題「音楽一切」にふさわしい選者です。カラオケでは石原裕次郎が十八番と聞いております。江畑代表とは二十代の時に岸本吟一の勉強会で知りあって以来の仲だそうです。1月の東葛新春句会では小島蘭幸氏のピンチヒッターも務められました。私もこれまで氏の披講を多く聞いて来ましたが、今日もダンディな装いで、朗々たる披講をされておりました。

宿題「協力」月岡サチヨ選

サチヨさんとは川柳会・緑葉の勉強仲間です。彼女の句のセンスの良さにはいつも感じ入っております。また気配りが凄く、かつ腰の低い方でもあります。会のお世話を先頭に立ってされております。今日の披講も落ち着いて、下五まではっきりと聞き取れました。

宿題「フロンティア」新井季代子選

季代子さんは現在、東葛で投句の受付を担当されております。ご存じのようにご主人も同じく柳人です。私は奥様が披講されているときのご主人の様子をちらちらと盗み見ておりましたが、非常に緊張されているご様子でした。季代子さんは落ち着いてゆっくり間をおいて素晴らしい披講をされました。

宿題「自由吟」(三句連記)江畑哲男選

代表は披講に先立ち、台湾で行われた創立30周年記念大会が成功裡に終了したこと、台中の大学で日本の韻文について講義をされたことなどを紹介されました。また台湾のお土産も持参されて上位入賞者へ賞品とされておりました。披講の最後に近頃、誤字脱字の多いことに触れて、強く注意を促しておりました。

おわりに

素晴らしい会場で音楽に耳を傾け、そして佳句を堪能するという、いつもとは違う川柳会の醍醐味を味わいました。このような企画をされた東葛川柳会幹部の皆さんへ本当に感謝致します。

会場を出ると雨も上がっており、ちょっと気分を高揚させながら帰途につきました。

会場の講堂の外観

文台の入念な下準備
(真智子さんと由紀子さん)