『ぬかる道』第437号 2024年3月1日発行
目次
- 巻頭言/句会はやっぱり楽しい…江畑哲男
- とうかつメッセ…江畑哲男選
- とうかつメッセ《自選》
- 東葛飾川柳会新春句会
- 新春句会の表情…岩田康子
- 新春ミニ講演をお聴きして/「だから、川柳は面白い」…井上すず
- 『ぬかる道』1月号鑑賞リレー…川崎信彰
- 大人の交差点(174)/川柳人は震災をどう詠んできたか。…菱木 誠
- 川柳再考 Before&After(40)…加藤当白
- 誌上課題吟/「絵文字」…小林洋子選
- 編集風だより
表紙のことば 【お雛様 30×68(部分)】 小川明子(松戸市)
春と言えば、菜の花。房総の一面黄色になった菜の花が目に浮かびます。
男雛は菜の花女雛はれんげ草です。
小学生の頃、東京から福岡に転校してきたさち子ちゃんのピアノのレッスンについて行ったとき、私はれんげ畑でピアノを聞きながら待っていました。
近頃はれんげ草をあまり見かけなくなりましたが、近くの方に「咲いていますよ」と教えてもらい歩いて10分程の所に見つけました。現在は、その畑全部、住宅地になってしまいました。大きな古い桜もあったのに…寂しい…
花は濃淡の部分を花びらに切り、それをさらに花に組み立てました。着物の部分は、ハサミを入れるのがもったいない程の振袖、もちろん古布です。帯締めは、刺繍糸を糊で一束にしました。私のお雛様は、面長の時代を反映する大切な、大好きなお雛様です。
ベランダから見る外は春がすみ。紅梅が咲き、木の芽がグーンと背伸びをはじめたような気がします。
男雛は菜の花女雛はれんげ草です。
小学生の頃、東京から福岡に転校してきたさち子ちゃんのピアノのレッスンについて行ったとき、私はれんげ畑でピアノを聞きながら待っていました。
近頃はれんげ草をあまり見かけなくなりましたが、近くの方に「咲いていますよ」と教えてもらい歩いて10分程の所に見つけました。現在は、その畑全部、住宅地になってしまいました。大きな古い桜もあったのに…寂しい…
花は濃淡の部分を花びらに切り、それをさらに花に組み立てました。着物の部分は、ハサミを入れるのがもったいない程の振袖、もちろん古布です。帯締めは、刺繍糸を糊で一束にしました。私のお雛様は、面長の時代を反映する大切な、大好きなお雛様です。
ベランダから見る外は春がすみ。紅梅が咲き、木の芽がグーンと背伸びをはじめたような気がします。
今月号から表紙絵の作者が変わります
ご挨拶 小川明子(松戸市)
この度『ぬかる道』誌の表紙絵を担当することになりました。身の引き締まる思いですが、毎月何がよいかしら?と、楽しみでもあります。
布絵は聞きなれない言葉でしょうか?
もう随分昔のこと母が購読していた『暮らしの手帳』の中で故宮脇綾子氏の魚や花のアップリケに出会いました。戦中、戦後の宮脇氏の布絵は貴重な布だったと思います。御主人の帰宅を待ちながらハギレで作った、干物や草花など素晴らしいものでした。感動でした。
時は過ぎ、ぶらりと入った有楽町の教会で、偶然に、「布絵展」を見ました。ギャラリーの中から、藍染の布で作った「鯖」と目が合いました。十五点程の布絵で一杯になる小さなギャラリーでしたが、何時間もそこにいたそうです。主宰者である布絵作家安藤聖子先生にお聞きしました。母が妹や私のためにミシンをかけて作ってくれた洋服の端布や針を持つことが好きだったのでワクワクした気持ちになりました。骨董市で買い求めた古い着物、「使って!」と頂いた古布、捨てきらない柄の面白い布、等々で草花、魚、野菜など布絵にしました。
皆様に見ていただき、ちっちゃな想い出が浮かんできたら、嬉しいです。これからしばらくの間お付き合いよろしくお願いたします。こう言う機会を与えてくださった編集室の皆様に御礼申し上げます。