中野彌生エッセイ 親知らずの記憶 半世紀以上も昔の1968年のことです。 当時、ロンドンに在住していた私は、全く予期しなかった「親知らず」のトラブルに見舞われたことがありました。 少し生え始めた親知らずが、歯茎に悪さをして、炎症を起こ... 2025.07.01 中野彌生エッセイ
中野彌生エッセイ 親族請負い業 もう半世紀も昔の1970年代のことでした。 顔見知りの貸衣装屋の奥さんが、「今日は忙しいのよ!これから夫婦で出掛けるのよ!」と言って、その詳細を話してくれたことがありました。 結婚式の衣装を借りに来た... 2025.05.27 中野彌生エッセイ
中野彌生エッセイ ナツメの木のあった家 敗戦後の幼少期を、片田舎で暮らしたあの頃から、70年以上も経た今頃になって、これまでに一度も思い出すことのなかった人々が、ふと蘇えってきて不思議に思うのです。 1952年(昭和27年)私が小学4年生の... 2025.04.23 中野彌生エッセイ
中野彌生エッセイ コロナ禍放談 世界中がコロナ禍に巻き込まれてから、2025年正月で満5年が経過しました。 誰もみな感染の恐怖と行動制限などで、未曾有の体験をしたのですが、驚くことに酷い目に遭ったその割には、当時の記憶が徐々に薄れそ... 2025.03.25 中野彌生エッセイ
中野彌生エッセイ 消えた仕事 最近の新聞に、昭和にはあったけれど、今では無くなった仕事の記事があり、それを読むと様々な思いが交錯しました。それらの仕事は、昭和の暮らし振りの貧しさを浮き彫りすると共に、物凄い速さで利便性を求めて、社... 2025.02.19 中野彌生エッセイ
中野彌生エッセイ 元日の歯ぎしり 我が家の近くの国道には、東京から32キロの標識があります。 この辺りは江戸から八里と言われ、志賀直哉や柳宗悦にゆかりの土地ですが、私たちは特にここを選んで、気に入って移り住んだ訳でもないのです。 19... 2025.01.29 中野彌生エッセイ
中野彌生エッセイ 勝ちゃんのこと 今から72年も前の1952年(昭和27年)、敗戦から7年経った頃のことです。 当時の私は大連から引揚げて、縁故を頼りに辿り着いた片田舎で、小学4年生でした。 小学校の教室では、教壇に近い前の席に、勝ち... 2024.12.26 中野彌生エッセイ
中野彌生エッセイ ナマの有名人 テレビの画面で若者が、「あっ!ナマの○○だ! !」と有名人を観て発する場面を、幾度か目撃したことがありました。 どうやら有名人を真近かに観ると、ナマの○○と言うらしいのですが、ナマとは素のままでとか、... 2024.11.25 中野彌生エッセイ
中野彌生エッセイ トリセツ トリセツと言う言葉を初めて見たのは、5~6 年くらい前のことでした。 本屋で新刊書を見ていた時、小冊子の表紙に「○○のトリセツ」とあったのですが、時流からは相当遅れている私には、トリセツの意味がさっぱ... 2024.10.28 中野彌生エッセイ
中野彌生エッセイ K苑にて K苑は、我が家から車で20分ほどの静かな田園にある特別養護老人ホームです。 1994年頃で今から30年も前のこと、しばらくK苑に関わった日々を思い出します。 当時の私は、余り深く考えもせず、何ら積極的... 2024.09.30 中野彌生エッセイ