中野彌生エッセイ

中野彌生エッセイ

お国変われば

八十路を越えた歳月を振り返りますと、色々なことがありました。 えっ? それ本当? と信じ難いこともありました。 その昔ロンドンの青果店で、林檎を数個買おうとした時のこと、どれにしようかなと選んでいると...
中野彌生エッセイ

セント・オールバンスの壁

半世紀以上も昔の英国で、友人に誘われてセント・オールバンスと言う町を訪れたことがありました。その町は、ロンドンから北へ20 数キロの史跡の町です。 ローマ時代の街道の遺跡が残るこの町は、ロンドンのター...
中野彌生エッセイ

親知らずの記憶

半世紀以上も昔の1968年のことです。 当時、ロンドンに在住していた私は、全く予期しなかった「親知らず」のトラブルに見舞われたことがありました。 少し生え始めた親知らずが、歯茎に悪さをして、炎症を起こ...
中野彌生エッセイ

親族請負い業

もう半世紀も昔の1970年代のことでした。 顔見知りの貸衣装屋の奥さんが、「今日は忙しいのよ!これから夫婦で出掛けるのよ!」と言って、その詳細を話してくれたことがありました。 結婚式の衣装を借りに来た...
中野彌生エッセイ

ナツメの木のあった家

敗戦後の幼少期を、片田舎で暮らしたあの頃から、70年以上も経た今頃になって、これまでに一度も思い出すことのなかった人々が、ふと蘇えってきて不思議に思うのです。 1952年(昭和27年)私が小学4年生の...
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コロナ禍放談

世界中がコロナ禍に巻き込まれてから、2025年正月で満5年が経過しました。 誰もみな感染の恐怖と行動制限などで、未曾有の体験をしたのですが、驚くことに酷い目に遭ったその割には、当時の記憶が徐々に薄れそ...
中野彌生エッセイ

消えた仕事

最近の新聞に、昭和にはあったけれど、今では無くなった仕事の記事があり、それを読むと様々な思いが交錯しました。それらの仕事は、昭和の暮らし振りの貧しさを浮き彫りすると共に、物凄い速さで利便性を求めて、社...
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元日の歯ぎしり

我が家の近くの国道には、東京から32キロの標識があります。 この辺りは江戸から八里と言われ、志賀直哉や柳宗悦にゆかりの土地ですが、私たちは特にここを選んで、気に入って移り住んだ訳でもないのです。 19...
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勝ちゃんのこと

今から72年も前の1952年(昭和27年)、敗戦から7年経った頃のことです。 当時の私は大連から引揚げて、縁故を頼りに辿り着いた片田舎で、小学4年生でした。 小学校の教室では、教壇に近い前の席に、勝ち...
中野彌生エッセイ

ナマの有名人

テレビの画面で若者が、「あっ!ナマの○○だ! !」と有名人を観て発する場面を、幾度か目撃したことがありました。 どうやら有名人を真近かに観ると、ナマの○○と言うらしいのですが、ナマとは素のままでとか、...