ぬかる道巻頭言コラム

【『ぬかる道』第453号 巻頭言】
『東葛愛は川柳愛 』

ぬかる道巻頭言

巻頭言『東葛愛は川柳愛』

江畑 哲男

最初に、ある方からの手紙をご紹介する。

過日は会務でお忙しいのにもかかわらず、ありがとうございました。
例の寄付は微々たるもので、匿名にてお願い致します。先生の巻頭言を読んで、また六斉堂茂雄編集長の「風だより」に懸念することがたくさんあり、東轄川柳会を愛して已まない方々が衝撃を受けた事と思います。今後、会が良い方向に向かわれるよう、祈念致しております。
「東葛川柳会を愛して巳まない……」

ベテラン会員からの手紙である。励まされる文面だった。ご寄付も嬉しかったが、何よりその文面に心を動かされた。「東葛川柳会を愛して巳まない」というくだりにはとくに心を動かされた。匿名様。有り難うございます。

もうお一方。

こちらはお名前を書かせていただく。

前略『ぬかる道』6月号誠にありがとうございました。「哺乳類ヒトのオスだけ乳房好き」(橘恕氏)。哺乳瓶で育てられたアメリカ男の渇望が、ハリウッド映画のジェーン・マンスフィールドド(サイズ102・53・89センチ)を生んだのでしょう。ブラジル男はお尻好きです。
「60歳からの筋トレ入門」(24頁)に注目しました。こうした発見が貴誌にはあります。さすがです。
5/30 (守谷市海老原信考)

こちらは千葉の県立高校元校長。現職時から無類の読書家で知られ、「日本教育新聞」の書評委員も務められた教養人。秋の東葛大会で記念講演も頂戴したこともある(演題「読書の楽しみ」平成22年)。

我らが『ぬかる道』誌を丹念にお読みになり、短いが的確な批評をいつもしていただいている。有り難い。

『ぬかる道』誌には、こういう読者が何人もおられる。他誌にはない特長であろう。巻末の「お便りコーナー(含むメール)」や「短信」欄をぜひご参照いただきたい。

コロナ下から始まった『ぬかる道』交流欄

『ぬかる道』には「お便りコーナー」がある。本欄を拡充したのはコロナ禍の最中であった。

コロナ下では不要不急の外出が実質的に禁止され、とくにシニア世代は外出をはばかられた。緊急事態宣言が発令されると、未知の感染症に日本中が震え上がった。趣味の外出などトンデモナイ。そんな空気に長く支配された。

この間、少なくない老人はフレイルに陥り、情報から遮断された。入ってくるのはマスコミ報道。その多くは恐怖を煽り、シニア世代を萎縮させるものばかりだった。「正しく恐れる」状況にはなかった。実社会からは断絶。いわゆる「自粛巣ごもり生活」を強いられたのであった。

今でも思い出すエピソードがある。高齢の女性会員に電話をかけたときのこと。

Y子さん曰く、「『ぬかる道』が届くのが待ち遠しい」、「川柳の宿題をヤルことが今の私の生き甲斐です」と。

また、S子さんもこう言った。「今日初めて人間とお話ししました。今までなら、ご近所と会話をする機会がたくさんありました。ゴミ捨てやちょっとした買い物の折りなど。ところがそれがなくなって、今日代表との電話で初めて人間(!)とお話をしたのです」と。
笑えないエピソードであった。

『ぬかる道』誌には、もう一つ短信」欄がある。これも会員内外の交流に役立っている。コロナ禍以前は、各地大会での会員の活躍が記事の中心だったが、コロナ下以降は全国的な動きも視野に置くようになった。

理由は二つある。

  1. 折しも小生が全日本川柳協会の事務局を預かるようになったこと。コロナ禍の切り盛りは大変だった。右記エピソードのような状況が全国に出現していたのだった。
  2. それゆえに、川柳の仲間を励ます必要があった。日川協の会議を「参加してよかった」と思える内容にリニューアルした。機関紙誌には全国の川柳人を励ます実践を掘り起こしながら掲載するよう心がけた。
  3. まだまだ道半ばだが、日川協が「見えるようになった」との評価は数多くいただいている。嬉しい。

    東葛愛は川柳愛、そして『ぬかる道』愛

    前号巻頭言の末尾にはこう書いた。

    もう一っ残念な報告。
    四月には同人総会が開かれた。赤字の会計報告書が皆さんに配布された。非常事態である。そんな質問も出た。
    はてさて、どうするか?紙数がないので代表としての所感を箇条書きしておく。……(以下略)

    総会で赤字の報告をしたのは藤田光宏会計部長である。その藤田部長自身がこう付け加えている。『ぬかる道』は読みどころ満載。これだけのレベルの雑誌は他の追随を許さない、と。部長は『ぬかる道』誌の価値を充分理解した上で、赤字を報告せざるを得なかったのだ。

    はてさて、どうするか?・赤字は赤字。今後どうすべきか?、皆さんのお知恵をお借りしたい。増田幸一顧問のお祝いが済んだら、すぐにでも手を打たなければならない。そう、差し迫った課題なのだ。

    匿名さんの言を借りれば、まずは「東葛川柳会愛」を広げてほしい。『ぬかる道』愛を広げてください。改めて、そうお願いしておきたい。

    本『ぬかる道』七月号は、「増田幸一顧問祝白寿六月記念句会」時に発行される。本来なら、こうした内容はおめでたい席にはふさわしくないのだが、そこは東葛流。オープンな姿勢ゆえとご理解いただきたい。

    その増田幸一顧問。六月だけでも数力所の句会を巡っている(かつしか、きやり、足立、川柳研究、東葛)。いやはや、白寿の行動力とはとても思えぬ。拍手、大拍手!

    手違いで暑中見舞い広告募集の記事が遅くなった。お志のある方はぜひよろしく。宛先は代表へお願いしたい。

    白寿記念句会の本日、たぶんマスコミの取材もある!