世界中がコロナ禍に巻き込まれてから、2025年正月で満5年が経過しました。
誰もみな感染の恐怖と行動制限などで、未曾有の体験をしたのですが、驚くことに酷い目に遭ったその割には、当時の記憶が徐々に薄れそうなのです。コロナ禍での日々については、科学者とは異なる主婦の視点で、書き残すべきだと考えました。
今ではすっかり聞き慣れましたが、コロナ禍に突入して、初めて「濃厚接触者」と言う言葉を聞いた時、一体どんな接触が濃厚接触者になるのかと思いました。
直ぐに浮かんだのが洋画の場面だったりして、ちょっと不謹慎な想像をしたのでした。
私が知らなかっただけで、既に医学界では定着した用語だったのでしょうか。
武漢発で、コロナ禍へ突入した初期段階では、政府は直ぐに中国との出入国を制限するのかと思いましたが、そんな措置は講じられませんでした。
それどころか当時の安倍首相は、『中国の皆さん、どうぞ日本に来て下さい』と言ったのには、それはもう驚きました。2020年4月には、習近平氏の訪日を予定していたので、その良好な雰囲気作りの為にも、中国側のご機嫌を慮ったのでしょうか。
台湾やニュージーランドでは立地条件を活かして、直ぐに厳重な水際作戦を実施しており、ある程度の成果を挙げましたが、日本では好条件を活かせませんでした。
2020年春節には、多くの中国人観光客が、日本へ押し寄せました。その結果、奈良の観光バスの運転手やガイドが感染し、墨田川の屋形船や札幌雪まつりで、多くの人々が感染したのでした。
日本での感染拡大状況は、中国からの観光客の足跡をなぞるように、拡散して行きました。
日常生活に必要なマスクが店頭から消え、アベノマスクが国民に1枚ずつ郵送されて、世界から嘲笑されたのでした。
マスク1枚の何倍もの事務経費と郵送料が費やされ、私の金銭感覚では、あり得ないことが実行されたのでした。そしてこれを誰も止められなかったことも、また驚きでありました。
アベノマスク購入に関する公文書は公開されず、国民の知る権利は、法廷まで持ち込まれたのでした。私に届いたアベノマスクは、そのまま手付かずで残っています。
約3年以上、コロナ株の変異と感染の波を繰り返し、医療の逼迫を実感させられました。
何故?と解せなかったことは、保健所の窓口で、検査を受けたい人が、『あなたは検査対象ではない』と検査を断られた事例が、連日報道されたことでした。
また一般市民が、簡単には医療機関にたどり着けない状態で、国会議員や有名人が入院したと報じられて、また何故?と思ったものです。
『不要不急の外出はしないで』との呼びかけは理解しましたが、またも解せなかったことは、東京都知事が突如として『ステイホーム』とか『キープディスタンス』などと、英語混じりでアナウンスを始めたことでした。
毎日夕刻、自治体の首長がテレビ画面で、感染者数を発表したのも何故?でした。
首長は多忙な筈で、感染者数の発表なんて、ヒラの職員でも誰にでも出来るのにと思いました。毎日テレビ画面に登場して、いかにも「仕事をやっている感」を演出していると感じたのですが。
多くの国民がワクチン接種を待ち望んでも、日本でのワクチン接種は、諸外国に比べて相当遅れて、なかなか実現しませんでした。日本の経済力の低下と円安で、ワクチンを買い負けたとも言われましたが、真実は分かりませんでした。
またワクチンの効果についても、有効と有害を主張する2派があり、どちらが真実なのか全く分かりませんでした。
国民がワクチンの順番を待っている間に、某自治体の首長や薬局経営者が、コネを使って割り込み、先にワクチン接種を受けて、バレたことがありました。不正をした人々は、その行為を謝罪するどころか、口を揃えて自分たちは医療関係者だと開き直ったのでした。
スペインでは同様の事例で、不正をした役人が免職になったと伝えられました。
また政権党の内部から、国会議員は優先的にワクチン接種をするべきだとの声があり、同僚議員から、それでは国民の理解は得られないと諫められたことがありました。
1年遅れで、コロナ禍を押してオリンピックが強行され、国民に多くの疑問を残しました。
驚いたことにアメリカの動物園では、ライオンやトラがコロナに感染していました。
一体ラィオンやトラは、コロナ感染者と如何なる濃厚接触をしたのか謎でした。
後に日本の動物園でも、2頭のライオンが感染して、死亡していたそうです。このライオンの飼育係も、コロナ感染者だったそうですが、どんな濃厚接触をしたのでしょう。
私の川柳です。
何ごとも不要不急に見られそう
ご無沙汰の訳けコロナ禍になすりつけ
ロンドンで疫病が大流行した時、ニュートンは故郷へ逃げ帰り、林檎の木の下で、万有引力を発見したそうですが、コロナ禍での様々な出来事は、私たちの国の実力や判断力、包容力などの採点の機会にもなりました。