ぬかる道巻頭言コラム

【『ぬかる道』第449号 巻頭言】
『句会を活性化しよう』

ぬかる道巻頭言

巻頭言『句会を活性化しよう』

江畑哲男

コロナは終わった!
今こそ、句会を活性化しよう!三年余のコロナ禍を超えて、楽しく生き生きとした句会を甦らせたい。
そんな夢と抱負を抱きながら、本年の活動をただいま本格的に展開中である。

新春句会の賑わい

それにしても、1月25日(土)の新春句会は賑やかだった。アミュゼ柏の会場がいっばいになった。嬉しかった。

理由はいくつか考えられる。

  1. 何と言っても、全日本川柳協会小島蘭幸理事長の招聘が大きかった。わざわざ広島からおいでいただいた。句会後の有志懇親会にもお付き合いいただいた。ナント、柏市に二泊もしていただいたのである。感謝に堪えない。
  2. 安藤波瑠・米島暁子両先生の招聘に象徴されるように、東葛らしい多彩な選者を揃えたこと。創立105年の歴史を有する川柳きやり吟社のトップと、当会創立以来の地元友好吟社・松戸川柳会のトップ、このご両名をお招きした。お陰さまで、華やかなお正月句会となった。
  3. 台湾川柳会の杜青春代表の来会は嬉しかった。来会の報を聞き、急逮「江畑哲男熱血川柳ブログ」(1/9、1/17)にアップ。幅広く、皆さんにPRした。その効果もあってか、台湾に深い関心を寄せるお仲間の顔もちらほら見えた。小島蘭幸と杜青春、この日は「日台の川柳界のツートップ」が揃ったことになった。
  4. その杜青春さんには、ミニ講演「台湾川柳会よもやま話」をお願いした。永見忠士幹事長と連絡をとり、酒井千恵子幹事が会次第を書き替えてくれた。このあたりが東葛のネットワークとフットワークの良さだ。
  5. フットワークと言えば、東葛スタッフの動き。選者先生方への昼食手配、壇上の生花、未誌友の方へ受付の配慮、などなど。毎度のことながら、各セクションの有機的な動きを頼もしく見ていられた。代表挨拶では、スタッフへのねぎらいの言葉を添えた。身内へのねぎらいを公式の場で表明することは「日本的美学」に反する(!)のだが、今回はあえて触れさせていただいた。
  6. ユーキャン担当者の来会も書き留めておきたい。御社は生涯学習分野での一流企業である。「資格ならユーキャン」というキャッチフレーズは聞いたことがあるだろう。来会は数日前に決まった。粗品(失礼!、笑)も提供していただいた。ご提供いただいた記念品は、江畑哲男の披講の中でしっかりとご披露させていただいた。
  7. そのユーキャンの通信講座「川柳」のテキストは、江畑哲男が執筆・監修した。コロナ前だから、もう7〜8年は経つだろうか?聞けば、資格のユーキャンから文芸分野への進出を図っているとも伺って、微力ながら小生がそのお手伝いをさせていただいたのだった。
  8. ユーキャンのような一流企業からのご支援は、第一生命以来のこと。いま思い返しても、第一生命柏支社の会場提供と本社からの記念品の寄贈は有り難かった。
句会活性化のために

昨今、代表の仕事がまたまた増えた。
巻頭言の執筆・メッセの選だけではなく、少なくない会務を担ってきたが、ここに来てさらに句会の選者の選定と出題を担当することとなった。
趣味の会のトップとはつらいものである。「仕事をして当たり前!」というフシが少なからずある。全国の大吟社のトップの中で、おそらく小生が一番会務をこなしているのではないか。そう確信している。日ごろから各セクションヘの目配りにも神経を使う。あえて書いておく。

さてさて、その句会である。
句会は大いに楽しみたい。句会の楽しみは川柳の醍醐味に通じる。詳細は拙著『魔法の文芸ー川柳を学ぶ』に譲ろう。113ページ以降をご参照いただきたい。
その句会がコロナ下でかなりのダメージを負った。東葛とて例外ではない。そこで、句会の活性化。正確に言えば、句会の「再活性化」を図りたい。

  1. ① 選者(佳句を佳句として選んでくれる選者)
  2. ② 選句と披講(選句眼とともに、佳句を活かす披講力)
  3. ③ 出題(ありきたりでない題、かといって奇をてらっただけの題も考えものだ)
  4. ④ そして、何より秀句が集まること。ココが肝心なところ!良い選者に自信句をぶつける心意気が欲しい。

……という訳で、まずは選者について。

東葛創立以来の「ゲスト選者」制に加えて、もう一工夫を凝らすことにした。力のある、中堅どころの川柳人の招聘である。44ページの句会案内をご覧いただけば、この意図と意欲がご理解いただけるに違いない。
ぶっちゃけ、選者礼は弾めない。ゲスト選者のような謝礼はお出し出来ない(スミマセン)。肩書きもあえて空欄のままにしようか?(当日にはもちろん皆さんにご紹介するが)。ゲスト選者とのそんな差別化を図りながら、これまで以上にバラエティ豊かな句会を追い求めて参りたい。

新春句会の代表挨拶で述べたことを、再掲しておく。
東葛川柳会は引き続き「学び」を重視する。「我以外皆師」という蔵言があるが、学べる相手からは貪欲に吸収していきたい。
流派にはこだわらぬ。伝統派、革新派。生活派、詩性派。時事に重きを置く人、置かない人。リズムを重視する人、心情の方を大切にする人。いろいろあってよい。東葛の川柳人は、いつまでも「発展途上人」でありたいものだ。

川柳人(界)は大同団結を!

このところ各地でこう訴えている。挨拶を求められたら上のように主張している。「川柳人は団結しよう」「コロナ下を超えた私たちは川柳のために協カ・共同を広げていこう」と。吟社や立場、川柳観を超えて、仲良く、楽しく、川柳人は手を取りあって前進していこうではないか。