- 司会:角田 創
- 記名:川崎信彰 角田真智子
- 会場:アミュゼ柏1階
- 出席者85名、欠席投句者29名
1月27日(土)、今日は新春句会。会場はアミュゼ柏プラザ1階。冬晴れの穏やかな朝です。いつもなら軽い足取りも、元日からの能登半島地震の報道に重くなりがちです。
10時少し過ぎに会場に着きましたが、永見忠士幹事長の下で机や椅子などの設営が着々と進められていました。受付横には川崎信彰副代表の計らいで、能登半島地震義援金箱が置かれました。これを見て、ようやく私にもスイッチが入りました。
12時、受付開始。新春句会ということで、神奈川、東京、茨城、埼玉などから大勢の方が駆け付けてくださいました。名刺交換をされる方や旧交を温められる方たち、壇上の華やかな花とツーショット、ずらりと並べられた賞品を矯めつ眺めつ悦に入る人など。会場は椅子を追加する熱気に包まれました。
13時15分、出句締切。司会進行の角田創さんから、今日は第一部が新春ミニ講演、第二部が句会となっていますとのお知らせ。出席者は85名、投句者は29名、合計114名の参加者です。義援金箱には五万円弱が寄せられました。さっそく珠洲市へ送らせていただきますと、川崎信彰副代表が御礼を述べられました。
13時20分、開会。江畑哲男代表の挨拶。まず講演の前に『ぬかる道』の表紙をご覧くださいと。前月号までは当会の寺井一也さん(珠洲市在住)による石絵が、今月号(2月号)は六斉堂茂雄編集長の発案で能登半島地図に変更されています。1月号では見附島の初日の出を楽しんだばかりなのに、新聞で変わり果てた見附島の姿を見た時は胸が潰れる思いでした。寺井さんの安否が気遣われる中、代表の下へいち早く番傘同人の方からファックスによる情報が届いたそうです。混乱のさ中、情報を共有できる仲間の有難さを話されました。
新春ミニ講演「だから、川柳は面白い」
今日は全日本川柳協会副理事長、麗澤大学非常勤講師でもある江畑哲男代表によるミニ講演です。配られたレジュメの小見出しには川柳の面白さ、言葉探し(発想力を鍛えるためのワークショップ)とあります。そう言えば、なぜ川柳は面白いのか?なんて真正面から捉えて来なかったような気がして耳を傾けました。
言葉探しでは、例えば「方角」から連想される単語は?の問いかけに、会場からは羅針盤、鬼門、子午線,風向き、NとS等々、枚挙にいとまがなく、活発にいろいろな単語が飛び交います。ぼんやりしている人はいません。正に川柳の上達、川柳を楽しみながら長く続けていくための大人の授業でした(講演の詳細はこちら)。
14時30分、句会開始。披講に先立ち江畑代表の挨拶と選者紹介です。アレはアレ、コレはコレ、お互いの努力でいい年にしてほしいと気を引き締められます。まずは、本日のゲスト選者となっていた小島蘭幸氏(全日本川柳協会理事長)は体調不良のためご欠席とのお知らせです。急きょ代選を快く引き受けてくださいましたのは、代表とは40年ほどお付き合いのある「川柳研究社」のいしがみ鉄さん。次いで、代表を応援し、新しい良い企画・リモート句会などを実現されている「川柳やまびこ吟社」の永井天晴さん。そして当会が誇る、いま最も勢いのあるお二人、酒井千恵子さんと日下部敦世さん。いよいよ披講開始。
文台は角田真智子さんと川崎信彰さん。
宿題「男」いしがみ鉄選
昨年の6月に「川柳研究社」の代表に就任され、お仕事も現役というバリバリの男盛りの選者さんです。元旦からの能登半島地震や二日の羽田空港衝突事故を思うと、おめでとうございますというよりお見舞い申し上げますですね、と被災者への気遣いを寄せられました。にもかわらずユーモア精神で頑張っていきましょう!と披講に入られます。声量があり、力強い披講です。
宿題「ニュー」永井天晴選
一昨年、40年間のオーナーシェフの仕事に終止符を打って今は自由です、と晴れやかな口調です。経営されていたケーキ工房アンダンテのアップルパイなどをご持参くださいました。アンダンテの高望みをしないで地に足をつけて行く精神は、そのま川柳家としての道にも通底しているとお見受けいたしました。ご著書には『雨男晴男』『苺一縁』があります。
宿題「書く」酒井千恵子選
川柳と書道の二刀流を行く当会幹事の千恵子さん。今回は書壇院展において毎日新聞社賞に輝いた大作をご披露。毎月の式次第を揮毫されたり、「ぬかる道」の編集風だよりを担当されたりと積極的にご活躍です。「東葛のニューフェイスで年増で〜す」と茶目っ気たっぷりに登壇。張りのある堂々とした披講です。
宿題「自由吟」日下部敦世選
開ロ一番、大谷選手のグロープとメッセージがご自身の勤務校に届きました、とはち切れんばかりの笑顔です。会場はどよめきと拍手と熱視線に包まれます。テンポよく85名に及ぶ句が優しく読み上げられていきます。天の句には江畑代表から4合入りの満寿泉、秀句には八甲田さゆりさん(愛知)から阪神ファンに因んだユニークな賞品などが出されました。
16時10分、閉会
ライブ句会の熱さに浸りながら新春句会は終了しました。能登半島地震に寄り添った句も多く、切なくも楽しいひと時でした。
被災された方々にいつの日か笑みが戻りますように。大谷選手からのエール「野球しようぜ」がリフレインします。