コラム

山田とまとエッセイ

手紙とメール

小学生のころから、手紙を書くのが好きだった。お気に入りの当時流行っていた水森亜土のイラストの便箋と封筒を、揃いで何パターンか持っており、その時の気分で絵柄を選んで書いていた。 相手は当時同居していなか...
B29の贈り物

「B29の贈り物」③

富山空襲始まる 「富山市の昭和20年8月2日午前0時」 点けっぱなしの家の中のラジオが「JOIG(富山放送局のコールサイン)、これから、午前零時をお知らせします。」と言って、「ピッ、ピッ、ポーン」とい...
ぬかる道巻頭言

【『ぬかる道』第453号 巻頭言】
『東葛愛は川柳愛 』

巻頭言『東葛愛は川柳愛』 江畑 哲男 最初に、ある方からの手紙をご紹介する。 「東葛川柳会を愛して巳まない……」 ベテラン会員からの手紙である。励まされる文面だった。ご寄付も嬉しかったが、何よりその文...
中野彌生エッセイ

親知らずの記憶

半世紀以上も昔の1968年のことです。 当時、ロンドンに在住していた私は、全く予期しなかった「親知らず」のトラブルに見舞われたことがありました。 少し生え始めた親知らずが、歯茎に悪さをして、炎症を起こ...
遊人のユーモア・エッセイ

月に光はあるか

英語で俳句らしきものを作っている。日本語で作る俳句の英語訳ではない。以前、「Blue Apples」というHAIKUの会を主宰していた。そこのモットーは「Feel in English, Think ...
B29の贈り物

「B29の贈り物」②

空からビラが・・ 「富山市の昭和20年7月29日」 夏休みに入っても、近所に同じ年代の男の子がいなかった所為か、戦時下の危なさの所為か、外で遊ぶことは稀であった。何時警報が出ても、すぐ家に帰れるように...
ぬかる道巻頭言

【『ぬかる道』第452号 巻頭言】
『幸一顧問の白寿を祝う 』

巻頭言『幸一顧問の白寿を祝う』 江畑 哲男 コロナ禍以降、おめでたい話題がめっきり減ってきた。こうした中にあって、今次の増田幸一顧問白寿のお祝いは誠に喜ばしい。ご本人にとってはもちろんのことだが、東葛...
山田とまとエッセイ

広がった地図

事情があって近年、何度か引っ越しをすることがあり、これは以前住んでいた町での話。 散歩が好きなので新しい土地では必ず近所をいろいろ歩いてみる私。 小さい頃から地理は苦手だった。そのせいか頭の中の地図と...
中野彌生エッセイ

親族請負い業

もう半世紀も昔の1970年代のことでした。 顔見知りの貸衣装屋の奥さんが、「今日は忙しいのよ!これから夫婦で出掛けるのよ!」と言って、その詳細を話してくれたことがありました。 結婚式の衣装を借りに来た...
B29の贈り物

「B29の贈り物」①

初めて見上げた星空 昭和20年8月1日、午後8時、昼間から出たり消えたりしていた空襲警報が、いよいよ本物の空襲警報となって、庭先に作られた防空壕へ、否応無しに放り込まれた。防空壕からでも聞こえるように...